サンタがくれたおほしさま

2006年12月14日 (木)

見にくいよねー、そうだよねー。

途中で休みながら読めるようにぶつ切りにしてしまった【サンタがくれたおほしさま】ですが、左下の同名のカテゴリーをクリックしていただくと、上から通して読めます。

どうか少しでも、どなたかの心に残りますように☆彡061214_2235

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サンタがくれたおほしさま Ⅹ

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ゆうくんは大きい箱を抱えながら、まみちゃんちに向かっていました。

まみちゃんの家はゆうくんのお友だちのじゅんくんちのすぐ近く。

きっとすぐ分かるはずです。

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“今日からお友だちになろう。

それで次のクリスマスまでまみちゃんがさびしくないように毎日一緒に遊ぶんだ”

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ゆうくんは今日ひとつ大人になったようです。

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え?誕生日だったのかって?

そうね、そんなものかも。

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たぶんサンタさんのソリから落ちたおほしさまのひとつが、ゆうくんの心に落ちて“おもいやり”になったのでしょう。

だから今日は優しさが生まれたお誕生日になるのでしょうね。

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ゆうくんは、初めて会って最初に何と言ったらいいのか考えがまとまらないうちにまみちゃんちのドアのチャイムを鳴らすのでした。

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   おわり 

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サンタがくれたおほしさま Ⅸ

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朝になってゆうくんは目が覚めました。

あの後どうやって帰ってきたのかも、ほとんど覚えていません。

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ひょっとして夢だったのかしら?

あわてて枕もとを見ると、ちゃんと飛行機のラジコンが置いてありました。

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「ゆうくん、ゆうくん!いつまで寝てるの?もうお昼よ」

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ママが階段の下から呼んでいます。

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テーブルにつくと、とてもおいしそうなサンドウィッチとオレンジジュースが用意してありました。

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「チーズケーキも後で切ってあげるからね」

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ママは今日もニコニコ笑っています。

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ゆうくんはそんなママをずっと見ていました。

ママがこんなに優しかったなんて気が付かなくなってたのかもしれません。

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「ゆう太はチーズケーキなら半分くらい食べれちゃうからな」

パパは新聞を読みながら笑っています。

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ゆうくんは、ふと思い出しました。

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「ママ、それ切っちゃだめ!」

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ゆうくんはサンドウィッチをいそいで口の中へ押し込むと、チーズケーキを箱ごと受け取りました。

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「ちょっと出かけてくるよ」

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「まぁ、そんな大きいケーキ持ってどこに行くの?」

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ママが話しかけても、もうゆうくんは聞いていません。

自分の部屋へ行って、コートと手袋を持って走ってきました。

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「あ・・・」

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ドタバタとリビングにもどってくると、

「ママ、サンドウィッチありがとう。おいしかったよ。じゃあ、行って来まぁす」

と行ってしまいました。

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「あら。ありがとうだって」

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パパとママは顔を見合わせて不思議顔。

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サンタがくれたおほしさま Ⅷ

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「えーっ!」

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「まみちゃんとの約束は忘れてないよ。

まみちゃんはこの日をずっとずっと楽しみにしていたんだ。

でも今年はもうその約束も守れないよ」

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ゆうくんはだんだん悲しくなってきました。

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“なんであんなわがまま言ったんだろう”

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“なんであんなに勝手なことばかりやったんだろう”

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ゆうくんは心の底から後悔しました。

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“ごめんね、まみちゃんごめんね・・・”

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「ゆうくん、もうすぐ朝が来る。帰る時間だよ。パパとママが心配するから。さぁ」

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サンタがくれたおほしさま Ⅶ

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あたたかそうな家の中で、ゆうくんと同い年ぐらいの女の子が窓辺にもたれて泣いています。

.「まみ、もう寝る時間はとっくに過ぎてるんだよ。明日起きれなくなるから早く寝なさい」

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後ろで困った顔をしているのはどうやらお父さんのようです。

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「いやよ。だってまだサンタさんきてくれてないもの。

どうして来てくれないの?

まみ、お母さんのかわりにいっぱいお手伝いしたのに。

ちゃんと今日までいい子にしてたのに」

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「サンタさん、いそがしいのかな。去年ちゃんと約束したのにね。

でもちゃんと来てくれるよ。

まみはこの一年とってもいい子だったもの」

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「ママが死んじゃってもう4年目。

去年もおととしもクリスマスイブだけママに会わせてくれたのに・・・。

サンタさん、まみのこと忘れちゃったの?

ママがまみに会いたくないっていってるのかな?」

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「そんなことない!そんなことはないよ。

サンタさんはきっと来てくれるよ。

またあのきれいなおほしさま持って」

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窓の外から様子を見ていたゆうくんは、二人の会話を聞いてかわいそうになってきました。

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「サンタさん、あの子のおほしさまを出してあげて」

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サンタさんはうつむきながら首を横にふりました。

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「さっき、君が乱暴にソリに飛び乗っただろう。

その時いくつかおほしさまが地上に落ちていってしまった。

まみちゃんのママのほしもその中にあったんだよ」

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サンタがくれたおほしさま Ⅵ

おともだちはみんなぐっすり眠っていました。

サンタさんはみんなの手紙を見ながら、手のひらのぴかぴかのおほしさまをお人形に変えたり、テレビゲームのソフトにしたり・・・。

 

ゆうくんはソリに乗ったまま、窓ごしにその様子をながめて大はしゃぎです。

そりの中のおほしさまはあとひとつ。

「あとひとつか・・・。さぁ、早く終わらせよう」

最後のひとりはおともだちのじゅんくんち。

「さぁ、何がほしいのかな」

じゅんくんの手紙には

『サンタさん、ぼくはかわいい妹がほしいです』

と書いてありました。

サンタさんはクスッと笑って、じゅんくんの枕もとにおいしそうなチョコレートを置きました。

「終わったよ、ゆうくん。さぁ帰ろうか」

二人はまたトナカイのソリに乗って暗くて寒い空を飛んでいきます。

「あれ?」

ゆうくんは一軒だけ明かりがついている家を見つけました。

「こんな夜遅くまで起きてるなんて。サンタさん来てくれないぞ」

とゆうくんは勝手なことを言っています。

「ちょっとのぞいてみよう」

ソリはゆっくりとその家の窓に近づいていきました。

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サンタがくれたおほしさま Ⅴ

サンタさんがあわてておほしさまの落ちた方を見下ろしても、もうおほしさまはかげもかたちもありません。

でもゆうくんはそんなことにはおかまいなしです。

「ねぇねぇ、サンタさん。次はどこ行くの?僕のおともだちのじゅんくんち?おとなしくしてるからぼくも連れてってよ」

 

サンタさんはしばらく迷っていましたが、こんなことをしていると夜が明けてしまいます。

しかたなくゆうくんをソリに乗せたまま行くことにしました。

「ゆうくん、ほんとうはサンタのソリはどんな良い子でも乗っけちゃいけないようになってるんだ。

だからこのことはおともだちや、パパやママにはないしょにするんだよ。いいね」

「うん、わかった。ぼくたちだけのひみつだね」

 

トナカイのひくソリがゆっくりゆっくりクリスマスイブの空を飛んでゆきます。

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2006年12月13日 (水)

サンタがくれたおほしさま Ⅳ

サンタさんはゆうくんのくつしたの中をガサゴソとさぐると、手紙を見つけました。

「ほほう、ラジコンか。ようし、わかった、わかった。空を飛べる薬はあげられないが、ラジコンを出してやろう」

でもサンタさんは白くて大きな袋を持っていません。

その代わりにピカピカ光るおほしさまをひとつ手のひらに乗せました。

「さぁおほしさま。いつもいい子にしているこの子のためにラジコンになっておくれ」

サンタさんがそう話しかけたとたん、おほしさまはゆうくんが前からほしがってた飛行機のラジコンに変わってしまいました。

「す、すごい・・・」

寝たふりをしてうす目を開けて見ていたゆうくんは、今、目の前で起こっている夢のような出来事に、声をあげておどろいてしまいました。 

もっとおどろいたのはサンタさんのほうです。

「やや、ぼうや。眠っていたんじゃなかったのかね」

「うん。ボク、サンタさんがちゃんとラジコン持ってきてくれるか気になって起きてたんだ。ねぇ、サンタさんってまほう使いなの?それならぼくに空を飛ぶ薬もちょうだい」

「困ったな。空飛ぶ薬はあげられないよ。そのかわりにラジコンをあげただろう」

「やだやだぁ」

ゆうくんのわがままが始まりました。

「じゃあ・・・」

と言って、チラッと窓の外をながめたかと思うと、

「サンタさんのソリに乗せてもらうからいいやーい」

と言いながら窓を飛びこえ、サンタさんのソリに飛び乗ってしまいました。

サンタさんのソリにはまだこれからまわる、よい子のためのプレゼントになってくれるおほしさまがいっぱい乗っていました。

けれど、ゆうくんが勢いよく飛び乗ったおかげでおほしさまがいくつかキラキラ光りながらこぼれて消えていってしまいました。

「ああ、なんてことを・・・」

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サンタがくれたおほしさま Ⅲ

「サンタさん、ちゃんとラジコン持ってきてくれるかなぁ。もしかしたら僕んちより先に行った家の子にあげて、もうないかもしれないな。

そしたら空を飛ばせてもらおう。サンタさんのソリに乗せてもらおう。

そうだ、それがいい。僕って頭いいな。さすがだな」

でも、サンタさんは良い子にして眠っている子の家にしか来てくれません。

ゆうくんは寝たふりをして待つことにしました。

「おお、よく眠ってるぞ。

さぁて、この子のプレゼントは何にするかな」

ゆうくんが今夜だけカギを明けていた窓から、サンタさんが顔をのぞかせています。

 

よっこいしょ。

ちょっと太りぎみのサンタさんは窓から入るのもたいへん。

「ああ、いそがしい、いそがしい。

本当に夜が明けるまでに良い子の家を全部まわれるのだろうか」

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サンタがくれたおほしさま Ⅱ

クリスマスイブの夜。

ゆうくんはママが朝から一日かけていっしょうけんめい作ってくれたごちそうと、生クリームのケーキを食べて、もうごきげん。

え?チーズケーキじゃないのかって?

チーズケーキは明日のお楽しみ。

明日のお昼、ママがおいしいココアを入れてくれるときまでおあずけにしたのです。

 

今日は待ちに待ったクリスマスイブ。

ゆうくんはうれしくって眠れそうもありません。

ベッドの枕もとにくつしたをさげて、中にはサンタさんにあてた手紙が入ってます。

『サンタさんへ。ぼくはプレゼントはラジコンがいいです。

あと空もとんでみたいです。

空をとべるくすりをください

              ゆうた』

その手紙には、こう書いてありました。

おふとんの中に入ってもゆうくんはワクワク、ドキドキ。

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